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看護部長メッセージ

「患者さんにとってのベスト」を目指して

都立駒込病院は、明治12年(1879年)に当時流行したコレラ患者を収容する避病院のひとつとして北豊島郡下駒込村に設立されました。その後、時代の変化や都民ニーズに応えるために進化・深化し、平成21年(2009年)に「がん・感染症センター都立駒込病院」を通称として、主にがんと感染症医療に関して専門的な医療・看護の提供を行っています。

看護部は、看護職員702名(看護師比率100%)、内、看護管理職8名、看護師長37名という院内で最も大きな組織です。大きな組織ではありますが、「組織は人なり」を組織運営の基本として人材育成と活用に力を入れており、専門看護師3名と認定看護師23名が、それぞれの特定分野で活躍しています。また、患者さんの一番近くにいる臨床看護師を、これらスペシャリストが支えていることで、看護の質向上が図られています。

ここで、看護に関して、看護部長である私の考えを述べます。

病を抱えた患者さんの気持ちや思いに寄り添うことは、看護者として必須です。しかし、私たちは、本当に患者さんの辛さや心細さを理解することができているのでしょうか。「あなたの気持ちはわかります」と、患者さんに伝えることに、私は昔から抵抗を感じています。たとえ、その人と同じ境遇になったとしても、他人が完全に「あなたの気持ちがわかる」という事は無いのではないでしょうか。人は、ひとりひとり人格があり、それまで生きてきた歴史があり、大切にしていることなどの価値観は、100人いれば100通りあります。看護者とは、患者さんのアドボケーターであり、病を抱え・病と対峙し・病と共存していく過程を、患者さんとともに悩み考え、尊厳をもってその人らしく生きていくための支援者です。したがって看護者は、どんなに学習を重ねて経験を積んでも、決して驕ることなく真摯にひとりひとりの患者さんに向き合い、患者さんの辛さや心細さを「理解しようとする姿勢」を忘れないでいて欲しいと思います。「これで良い」と思った瞬間から、私たちの関心は患者さんから離れていきます。“患者さんに寄り添う”とは、「これで良いのか」「患者さんにとってベストは何か」と、患者さんから気持ちを離さずにいることだと思います。

また、患者さんのアドボケーターとしての役割を発揮するためには、人間としての成長と共に、卓越した知識・技術を身につけて確実で適切な看護サービスを提供することが必要です。そして地域包括ケアシステムが本格的に機能しはじめた今、医療チームで患者さんの目標を共有し、ベクトルを同じにしてチームの総合力を発揮し、「患者さんにとってのベスト」を目指し協働することが、私たち看護者に求められていることではないでしょうか。

駒込病院は、確実な知識・技術を習得するための、様々な学びや経験の機会を提供しています。ひとりひとりの看護師が、自分のキャリアデザインを描きながら、看護師としてもひとりの人間としても成長していけるように、支え合い・刺激し合い・成長し合える組織を目指しています。
私たちと一緒に、「患者さんにとってのベスト」を目指したいという看護師の皆さん、是非、駒込病院のドアをたたいてください。病で苦しんでいる患者さんの心に寄り添った暖かくて適切な看護を提供し、一人でも多くの患者さんが「その人らしい人生」を送れるよう支援していきましょう。
駒込病院看護部長・認定看護管理者 三浦 紀子
 

駒込病院看護の基本方針

  • その人らしさを大切に心に寄り添いながら
    高度専門医療に対応する最善の看護を提供します

1.がんと感染症を中心とし高度専門医療、総合診療機能に対応する質の高い看護の提供

2.患者・家族の意思決定の支援

3.多職種医療チームの一員として責任ある行動

4.看護の専門職として学び成長し支えあう

5.病院経営への積極的参加