腎泌尿器外科

前立腺がん:診断とその他の治療

前立腺がんの診断

血中のPSAという腫瘍マーカーが4.0 ng/ml以上の方や、それ以下であっても比較的若く家族歴(父親や兄弟に前立腺がんの方がいる)があるような方、あるいはMRIや直腸診で前立腺がんが疑われる方には、下記の前立腺生検を受けていただき、診断をつけることをお勧めしています。

MRI/超音波フュージョン標的前立腺針生検~正確なリスク評価に基づき適正治療の選択を

不要な生検を回避し、正確な前立腺がんのリスク評価を行う目的で、PSA高値あるいは直腸診異常所見のある方全員に生検前MRIの撮影をお奨めしています。
前立腺針生検は前立腺がんの診断に必須の検査で、原則的に1泊2日の入院で行っています。局所麻酔下での経会陰14か所生検を標準とし、MRIでがんが疑われる病変に対してMRI/超音波フュージョン標的生検を追加します。MRI/超音波フュージョン標的生検は、世界最先端の高精度な前立腺がん診断法です。高精度な前立腺生検により、癌の悪性度・局在・広がりを正確に把握することが可能となり、個別化された適正治療の選択が可能となります。また、私たちが行っている経会陰的生検は、経直腸的生検と比較して敗血症や出血のリスクが低く、糖尿病などの感染症のリスクや抗血栓薬内服中などの出血のリスクのある方にも安全に行うことができます。希望のある方には腰椎麻酔や全身麻酔での前立腺生検も可能です。

放射線外照射治療(IMRT)

前立腺全摘除術と同様に、前立腺がんに対する中心的な治療法の一つです。放射線治療部と連携して治療にあたっています。病状により、ホルモン療法との併用療法を行います。また前立腺全摘除術後の病理結果や経過によっては、補助療法もしくは救済療法として放射線療法を追加することもあります。入院は必要ありませんが、2か月弱程度の通院が必要です。

小線源治療(ブラキセラピー)

前立腺に放射線を出す小さな金属カプセルを埋め込む治療です。3泊4日の入院で行っています。適応は比較的悪性度の低い前立腺がんに限られます。

積極的監視療法(アクティブ・サーベイランス)/待機療法

前立腺がんの診断がついても上述の治療を行わず、腫瘍マーカーやMRI画像などで病状の変化を定期的に観察していく方法です。積極的監視療法ではがんの悪性度が低いことが前提ですが、待機療法では患者さんのご年齢・お体の状態・ご希望などを考慮の上、総合的に判断します。

ホルモン療法

前立腺がんに特徴的な全身療法です。男性ホルモンを抑える注射、もしくは精巣を摘出する手術が基本となり、内服薬(抗男性ホルモン剤、女性ホルモン剤、副腎ステロイド、副腎ホルモン合成阻害剤など)を併用することもあります。転移のある前立腺がんがホルモン療法の対象となります。また、転移のない前立腺がんであっても、前立腺全摘除や放射線治療と併せて集学的治療の一環として行うこともあります。

化学療法

一次ホルモン療法抵抗性となった去勢抵抗性前立腺がんに対し、抗がん剤(ドセタキセル、カバジタキセル)を点滴する治療を行います。原則としてドセタキセルとカバジタキセルの初回は入院で、2回目以降は外来で投与します。

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