外科(食道)

専門分野

1.食道がん

概要

わが国では、年間約10000人の方が食道がんにかかります。50歳代以上の方に多く、たばことお酒を多くたしなむ方は要注意です。男女比は6:1と男性に多い病気です。食道がんは悪性度が高いといわれていますが早期発見すれば、治療成績は良好です。食道がんの症状には、無症状のものから、食道がしみる感じ、食物のつかえ感、胸痛、声のかすれなどがあります。

当科の得意とする疾患で、十分な経験と実績があります。内科、放射線科、化学療法科、病理科と協力しそれぞれの患者さんの状態に最も適した治療を行っています。

壁深達度

がんは食道壁内腔側の粘膜に発生し、進行するにしたがって、深くなっていきます。

T1a:がんが粘膜にとどまる病変

T1b:がんが粘膜下層にとどまる病変

T2:がんが固有筋層にとどまる病変

T3:がんが食道外膜に浸潤している病変

T4:がんが食道周囲の臓器に浸潤している病変

食道表在癌

食道表在癌

治療

1) 内視鏡的粘膜切除術(EMR):

早期がんに対しておこなっており、食道を取らずにがんを治します。

2) 手術:

現在は手術前後の化学療法、化学放射線療法を組み合わせて治療成績をあげています。

3) 放射線治療:

根治的治療として行う場合と、手術の補助療法として行う場合があります。手術に匹敵する効果を示す場合があります

4) 化学療法(抗がん剤治療):

当院での化学療法は1st lineとしてFAP(5FU、シスプラチン、アドリアマイシン)、2nd lineとしてNeda+DTX(ネダプラチン、タキソテール)を用いて治療します。

a) 術前化学療法:現在は手術成績の向上のため、手術前に化学療法を施行します。

b) 放射線治療併用化学療法:通常放射線と組み合わせて手術の効果を高めるために行います。手術の前あるいは後に単独で行う場合もあります。外来通院可能な化学療法もあります。

c) その他:その他、病気の進行に応じた化学療法を適切に行います。

5) 治療後の外来通院:退院後は食事摂取の状況や、栄養状態の回復(体重の変化)、再発の有無を外来通院で調べていきます。2年目までは、1ヶ月に1回程度の通院、3年目以降は3ヶ月から6ヶ月に1回の通院となります。

6) ステント治療:根本的な解決法のない食道狭窄に対しては、ほとんど苦痛なく確実に症状をとることのできるステント治療を行います。

2.食道アカラシア

概要

食道壁内の神経細胞の消失により食道下部の筋肉が弛緩しなくなってしまう病気です。食道の蠕動運動も障害されます。比較的若い方や中年の女性に多い生命には危険のない良性疾患です。食物のつかえ感、胸痛などの症状から食道がんを心配して来院される方もいます。食道に貯留した食物が夜間に逆流して鼻から出てくることがあります。比較的珍しい病気のため精神的なものとして見逃されている場合もあります。内科的な治療を優先しますが、手術の必要な場合があります。

治療

腹腔鏡手術が第一選択となりますが、比較的程度の軽いものに対しては胸腔鏡による手術を行っており良好な成績を得ています。腹腔鏡による手術に比べ手術時間が短くより低侵襲です。長期成績に関しては議論があります。

3.食道裂孔ヘルニア

概要

肥満や過食が発生に関係しています。胃液が食道に逆流するため胸焼けがおもな症状です。夜間就寝時に胃液がのどまで逆流してくると咳やのどの痛み、ひどい場合は肺炎を繰り返します。喘息と似た症状のことがしばしばあります。内科的な治療を優先しますが、手術が必要な場合があります。

4.その他の良性疾患

概要

食道平滑筋腫、食道ポリープ、食道血管腫、食道憩室、食道狭窄、食道異物など

5.鏡視下手術(胸腔鏡や腹腔鏡を用いて、胸や腹を開かずに行う手術)

概要

術後の傷みも少なく、比較的早期に退院できます。食道がんに対しては当科で精密に診断後、慎重に適応を選択し行っています。ご相談ください。

適応

食道癌、食道アカラシア、食道裂孔ヘルニア、食道平滑筋腫などの良性疾患

治療

食道癌に対しても症例に応じて鏡視下で手術を行います。

鏡視下手術_食道癌

食道平滑筋腫:左胸壁に5箇所(各1cm)の傷をつけて手術を行います。

食道平滑筋腫

6.消化管機能検査

概要

もたれ感、逆流症状、食事摂取不良などの消化器機能障害などの症状は日本人の約4人に1人にみられるといわれています。当院では、消化管機能検査を内視鏡検査やCT検査の他に、内圧検査、24時間pHモニタ-検査、13C呼気試験、 嚥下造影検査などを用いて、詳細に検討を行い、栄養科と連携して食事指導をおこなっており、必要に応じて投薬治療、内視鏡治療、手術療法をおこなっております。

消化管術後、食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、機能性胃腸障害など食事摂取に関する不定愁訴、機能障害などに疑問のある方はいつでもご相談下さい。

English Version

Esophageal Group
Faces Challenges of Esophageal Cancer
Much of the work in EMR(Endoscopic Mucosal Resection) was pioneered at Komagome Hospital.

Early cancer(Stage0 and most of Stage I) without lymph node involvement is completely cured by endoscopic local resection. Restoring esophageal function gives patients the gift of life.

Three-field lymph node dissection for advanced cancer(Stage II and some Stage III) made a significant impact on their survival.

The esophagus and lymph nodes are removed in systematic fashion in the neck, mediastinum and abdomen. This is our standard operation and by combination with radiochemotherapy the result is satisfactory. We can tailor the operation, depending on the patient’s condition and careful preoperative examinations. If the tumor is located in the lower third of the esophagus, a lesser operation can be selected for some case. Far advanced disease are treated with palliative therapy such as self-expandable metallic stent.

Minimally invasive surgical approaches to treat esophageal disease

In the past, an open surgical procedure was necessary to treat gastroesophageal reflux disease, Achalasia and esophageal myoma. Today this can be done by using laparoscope or thoracoscope without opening the abdomen or the chest. We also apply this technique to the cancer surgery.

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