東京都立駒込病院 (都道府県がん診療連携拠点病院、エイズ中核拠点病院)
脳神経外科
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内科系部門外科系部門中央部門
診療内容専門分野医師紹介外来予定表
 診療内容について
 
はじめに

脳外科では、近年の症例数の増加に伴い、レジデント、スタッフを募集しております。 ご希望があれば、他の都立病院(東京医師アカデミーに属する)及び東京大学の系列病院(東京大学の医局に属する)で研修することも可能です。 ご希望の方は、shinoura@cick.jpにご連絡ください。



<当院は以下の方針で治療を行っています。>

1.患者さんの立場に立って治療方針を決める。
 現在はマスコミがあおって始まった症例数競争の時代になり、必要のない手術まで勧める病院が多々ありますが、我々は自分が患者さんの立場に立った場合に手術が必要かどうかをまず考えて治療を検討しています。  (医療の質を問わない症例数競争に組しないため手術件数を週刊誌に載せておりません。手術件数は駒込病院のホームページを参照してください)。

2.最先端の治療を開発、導入する。
 脳腫瘍特に悪性のものは、手術及びその後の治療が一番大事です。覚醒下手術は脳の機能を温存するのに一番安全な手術です。なぜかと言えば、手術中に麻痺、 失語症、 高次機能の悪化をチェックでき、回復するまで待てるからです。我々の施設は、覚醒下手術に関しては多くの実績があります。(ホームページ最後の文献参 照)。また、抗がん剤の持続髄注という新しい治療を施行しています。癌性髄膜炎や悪性神経膠腫(悪性グリオーマ)、悪性リンパ腫に対して高い効果を上げて います。また、内視鏡を使って低侵襲な手術を行っています(たとえば、鼻より下垂体腫瘍を摘出しています)。

3.改善システムを用いて手術の精度を上げる。
 ほぼすべての 手術でナビゲーションシステムを用いて精度に万全を期しています。  また、トヨタの改善システムを導入して、二度と同じ失敗を犯さないように、また常に技術が向上するシステムをつくっています。

<どのような症状があれば受診したほうがいいか>
 頭痛、手足の力がはいらない、手足が痺れる、痙攣を起こす、言葉が出づらい,めまい,ふらつきがある、見え方がおかしい、その他普段にない症状が出た場合は受診をお勧め致します。  受診に関してのご質問はe-mail shinoura@cick.jp におたずねくださっても結構です。 外来診療は月曜日から金曜日までの午前及び午後に行っています。外来は原則的に予約制です。電話(03-3823-2101)でご予約ください。 紹介状があることが望ましいですが無くとも受診は可能です。

<どのような検査があるか>
頭の検査として、 CT (X線を使って脳をみる検査)、 MRI 磁石を使って脳や血管を見る検査で、現在一番詳しく頭の中がわかります。 また、fMRI、tractographyにて運動領や言語領など脳の大事な部位を同定し、治療に役立てます。) 、 SPECT (脳腫瘍が悪性かどうか、壊死をおこしているかどうか、また脳梗塞をおこしやすいかどうか等もわかります)、 脳血管撮影 (専門の放射線医が行います)、 NIRS (近赤外線を使って脳血流を測る検査で、ストレスによる自律神経障害からの頭痛、ふらつき、意識消失の原因がわかる可能性があります。検査費用は無料です。)があります。

1.脳機能(functional)MRI― 脳のどの部分に手や顔を動かすところがあるか、しゃべるのを命令するところがあるかを調べる検査です。検査費用は無料です。




2.トラトグラフィー(Tractography) ―運動線維(手足を動かすのを命令する神経)が脳のどの部分を走っているかを調べる検査です。検査費用は無料です。
この2つの検査を行うことにより、運動や言語をつかさどっている大事な神経が腫瘍のどのくらい近くにあるかがわかり、その情報により一番安全な手術方法を選択します。

 
上記の2つの検査を統合して運動神経と腫瘍の位置関係を立体的に視覚化したところ。

腫瘍の内側、後側を運動神経が走行している事が分かります。

3.SPECT ―腫瘍がどのくらい悪性か、治療効果が上がっているか(壊死を起こしているか再発しているか)に関して貴重な情報が得られます。

<どのような治療をするか>
当院で診療を行っている主な疾患は、脳腫瘍、脳血管障害、脊髄疾患などですが、その他脳神経に関すること全般にわたって診断、治療いたします。 特に脳腫瘍に関しては、今世界で可能な技術を駆使して、手術及び手術後の治療を行っています。

A.脳腫瘍の手術
我々は手術適応を厳密に考えて手術を決定し、以下に述べる技術を適切に使用し、できるだけ手術後症状が悪くならないようにしています。 これらの技術を駆使することにより、手術による症状(麻痺、失語症等)の悪化の可能性が極端に減りました。 特にどんな種類の脳腫瘍であれ、手術後麻痺や言語 が悪化する可能性がある場合は、覚醒下手術(起きたまま手術する)で悪化する可能性のある症状をチェックしながら、症状が悪くならないように手術を行って います。それ以外の脳の機能(高次機能等)もチェックしながら手術することも可能です。
下の4つの方法を適宜行っています。

1.内視鏡手術 ― ナビゲーションシステムと組み合わせることにより、下垂体腫瘍を鼻の穴より手術することができるようになりました。 現在下垂体腫瘍の手術に関しては一番安全確実で、手術後も回復が早い方法といわれています。

2.ナビゲーションシステム ― 脳のどの部分に腫瘍があるか手術中に正確にわかります。 今までの脳外科の手術であった様々なトラブルは、このシステムを用いることにより未然に防ぐことができます。 逆に言うと、脳腫瘍の手術をするときにこのシステムを用いないと、傷めてはいけない脳まで傷める危険が高くなります。 我々は精度の高いナビゲーションシステムを使用しています。 我々はこのシステムに fMRI 、 Tractografhy を組み込むことにより、一番安全な場所から脳腫瘍が摘出できるようになりました。


上記の検査で視覚化された運動神経(肘の運動神経)をナビゲーションシステムに統合したところ。 腫瘍のすぐ横を運動神経が走行しており、さらに術野でそれがどこに当たるかの推測が可能になりました。

覚醒下開頭術

覚醒下開頭術の風景
3.覚醒下手術fMRI 、Tractography で 脳の大事な場所(手足を動かす場所、しゃべる場所)が脳腫瘍に近いとわかった場合は、手術中に麻酔を覚まし、手足を動かしたりしゃべったりしていただきながら手術を行います。 これが現在考えられる一番安全な方法であり、手術中に手足を動かしたりしゃべったりしていただきながら慎重に手術をすれば、たとえ脳腫瘍が大事な場所の近くでも、症状が出るぎりぎりまで脳腫瘍を摘出することが可能になります。 この方法で行った手術においては、麻痺や失語症が手術前に比べて悪化した例は一例も現在のところありません。 半数くらい手術前に比べて症状が改善しております。



4.MEP ―脳を刺激して筋肉より電気刺激を拾うことにより、どの場所に手足を動かす神経があるかわかるようになりました。 これは、覚醒下手術と異なり、全身麻酔を行いながら手術をします。 運動野近傍の腫瘍で覚醒下手術が困難な場合、それに代わる次善の手段として行います。 これらの運動神経の同定は大脳のみならず、脳幹より出る顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)、迷走神経(飲み込むときに使う神経)等も行っており、脳幹近くの脳腫瘍たとえば聴神経腫瘍の手術で、手術後に顔面神経麻痺を出さないような工夫をしています。

5.術中超音波診断 ―腫瘍を検出する感度の高い機械を手術中に用い、脳腫瘍を摘出しています。 超音波画像をナビゲーションシステムに組み込むことにより、腫瘍や動脈の位置の術野での予測、確認が正確にできるようになります。
ドップラーエコーで認められた血管。ナビゲーションとの組み合わせで動脈瘤であることが分ります。

6.術中電気生理学的モニタリング(当院では主に以下のモニタリングを行っています)
a)MEP ― 脳を刺激して筋肉より電気刺激を拾うことにより、どの場所に手足を動かす神経があるかわかるようになりました。 これは、覚醒下手術と異なり、全身麻酔を行いながら手術をします。これらの運動神経の同定は大脳のみならず、脳幹より出る顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)、迷走神経(飲み込むときに使う神経)等 も行っており、脳幹近くの脳腫瘍たとえば 聴神経腫瘍の手術で、手術後に顔面神経麻痺を出さないような工夫をしています。
b)SEP (体性感覚誘発電位) ―感覚路の温存や脊髄機能のモニタリング、運動野の同定の補助などに行っています。
c)VEP(視覚誘発電位) ―視覚機能の温存のために行っています。
d)脳波 ―術中痙攣発作や脳虚血のモニタリングとして行っています。
e)ABR(聴性脳幹誘発電位) ― 聴性機能や脳幹機能の温存のために行っています。
f)眼球運動モニタリング ―動眼神経や滑車、外転神経など眼球を動かす神経の同定、温存のために行っています。

B.脳腫瘍術後の治療
 悪性の脳腫瘍に対しては、できるだけ脳腫瘍を摘出した後は、患者さんに負担のかからない、治療効果の高い方法を行っています。 2006年度より認可された新 規抗がん剤であるテモダールを使用した標準的な治療に加えて、治療効果をあげるために、我々の病院独自の方法を行っています。 抗がん剤はできるだけ長い時間、有効な濃度で作用させることが大事です。

大量化学療法 ― 脳腫瘍には抗がん剤が到達しにくく、大量の抗がん剤を使用すると効果的な例があります。 当院は、悪性リンパ腫に対して抗がん剤の大量療法を施行しており、治療成績が従来の治療法に比べて大きく改善しています。 この治療法は、悪性リンパ腫に対して現在とりうる最善の治療です。他の悪性の脳腫瘍にも応用可能な治療法です。

抗がん剤の少量頻回投与もしくは持続投与抗がん剤の効果を上げるには効果的な濃度をできるだけ長時間続ける必要があります。 我々は抗がん剤を少量頻回投与もしくは持続投与することにより有効な濃度を長時間維持し、治療効果のあがった例を経験しています。



閉鎖腔内抗がん剤投与抗がん剤の効果を上げるには効果的な濃度をできるだけ長時間続ける必要があります。 腫瘍を摘出後閉鎖腔にすることにより、抗がん剤の濃度を長時間効果的な濃度にすることが可能になりました。 このような方法で治療効果が上がった方法を我々は経験しています。
我々はそれぞれの脳腫瘍の治療に関して精度が高い治療が行えるようにプロトコールを決めています。治療を開始する前に治療方針をご説明します。

2.脳血管障害の治療SPECTMRIMRA (脳 の血管を見る検査)を検査することにより、脳梗塞になる可能性がある程度予測できます。 できるだけお薬と生活の改善で予防する方向でいきますが、脳梗塞に なる可能性が高い場合は手術をお勧めすることもあります(頭蓋外と頭蓋内の血管吻合術、頚動脈内膜剥離術)。 脳動脈瘤や血管病変、脳出血に対する外科治療 も行っています。

3.脊髄疾患の治療: 高齢になると頚椎の変形が強くなり、手足の麻痺がでることがあります。 頑固な頭痛も頸椎の変形が原因であることがよくあります。 MRI による頚椎の検査において、脊髄が圧迫されており日常生活が不自由になるようであれば、手術をお勧めすることもあります(頚椎後方拡大固定術等)。 ステルスを使用して、できるだけ安全に行うようにしております。

4.その他: 痴呆性疾患のうち正常圧水頭症に対しては、脳波検査、脳血流検査をもとにシャント手術による治療を行っており、劇的に改善する例もあります。
顔面痙攣、三叉神経痛に対しては、神経血管減圧術を行っています。

 



がん・感染症センター都立駒込病院
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